仕事関係で知り合った人と、その後友達になることはとても少ない。
社内はともかく、社外の人とは最初からそこに「仕事の関係」という壁がすでにあって、友人になるにはなかなか難しい。
それでも一人だけ仕事で知り合い、その後は親友と呼んでも過言ではないほど仲良くなれた人(仮名:くまさん)がいる。
そのきっかけは、あまり褒められたものではないが…ズバリ人の悪口だw
(ダークなものではないから気を悪くせず読んで欲しい。)
その当時、会社のメンバーに20代半ばの女子社員(仮名:さくらさん)がいて、若くて、明るくて、人に媚びることが自然とできる子で、いわゆる、仕事はできないが「男ウケ」はするタイプ。
社外のクライアントやサプライヤーの男性から、◯◯会社のさくらちゃんが可愛い!と評判がたつほどだった。
よくあることで、そういう子は社内女子からは嫌われる。
来社した男性があからさまにウキウキしてる感じも、さらに反感を買っていた。
私もその一人だったが、どこか「ジェラシー」とは違う感情で私はその子が苦手だった。
男性が可愛い女子に目が行くのは自然のことだし、私だって男前がいた方が仕事は楽しい。
女子からすれば見え見えの「ぶりっ子」にデレデレするバカな男たちと、哀れむ気持ちはあっても、その子が羨ましいとは思わなかった。
何が嫌いか言葉にして言えない、とにかくモヤモヤした感情があった。
そんなときに、たまたま仕事帰りに飲んでいたお店で、隣のテーブルに案内された入ってきたのが、当時はただの仕事の関係先のくまさん。
仕事では少し苦手と思っていた。
というのも、クライアントのために正論を言っているのはわかるが、納期までのスケジュールや、費用面などを無視した正論を言うので、こちらが悪者役になってその正論を拒否せねばならず、結果としてどこか妥協したかたちになるので、あまり気持ちがいい仕事ができないことが多かった。
向こうは2件目だったのか、仕事で会うときよりも少し饒舌で機嫌もよく、隣のテーブルに案内されたが、ほぼ私たちのテーブルと合流するかたちで一緒に飲む流れになった。
仕事の話とか、今の仕事をする前はどんなことをしていたのかと当たり障りのない話をしているなかで、くまさんがポツリと言った
「僕、実はさくらさん、苦手なんですよね」
一瞬耳を疑い、「え?」と聞き返す私に、
「あの子って、自分は可愛いから少し仕事できなくても良いって思ってる節ありますよね。
でも、仕事の出来無さをカバーできるほど可愛くないんですよね~」
それっっーーーーー!!私のモヤモヤの正体それっ!
また、同時に思った。
「わたし、この人好き!!ww」
そうか。私が引っかかっていたのは決して彼女が男性ウケしているからでも、可愛さを妬んでたからでもない。彼女にいただいてたモヤモヤは、
あなたは可愛いかも知れないが、仕事の出来なさをカバーできるほどは可愛くない!(←エコーがかかってるイメージw)これだった。
つまり、私には「短所を補うに足るだけの長所なのかどうか」というものさしで人を見ていて、
その帳尻が合わなかったから彼女が嫌いと思っていたんだと気づいた。
ルッキズムで人を判断してはいけない!みたいな風潮が強い時代。
意識して見た目で人を判断しないということはできたとしても、人の概念ってそんな簡単に変わるものではない。
少なくても、大学ミスコンやジュノンボーイといったワードが当たり前にあった時代で育った私が本心から「人を見た目で1ミリも判断しない」ってのは無理だ。
その時に考えるのは、「短所を補うに足るだけの長所なのか」というものさしで人見ると、私的には納得できる答えをくれている。
決して見た目だけを長所・短所として言っているのではない。
どんな短所でもそれを補える長所があるか否かで全体をみることでバランスが取れた判断ができると思う。
この価値観は自分に対しても使っている。
短所がない人なんていない、無くせない短所だってきっとある。
だからこそ、それを補う長所の方を伸ばす努力にシフトすることが大事だと考えている。
変えられない短所はほっといて、長所を伸ばしましょ!って思うと気が楽!!
余談だが、私のモヤモヤポイントをズバリ言葉にしてくれたくまさんの洞察力は、
若いころに女性誌の編集者の下っ端として、キャラ濃い先輩女子たちに囲まれて仕事して育んだらしい。
レストラン選び、手土産などは今でもそこらの雑誌にも負けないほどの鍛えられたセンスは今も健在。
何よりほぼ女性だけの職場で、女の醜い部分やリアルな女子トークで本音を目の当たりにしすぎて、
若かりしときにすでに男性が抱くような女性像は一切崩れさったらしいww
コメント